佐々木美術店





〈 注) このBlog著者は佐々木美術店use店主・佐々木秀典です〉








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2014年3月23日日曜日




二人はあらたなる美しい時間の延長チケットを手に入れた

二人で乗る事を断られ
一人で乗った乗り物もあった
それはSに何の意味もなかった
ただ Sが乗っている乗り物を見ているH子のミューズな無表情
或いは薄笑いが見れればそれで良かった
絶対にニッコリなどして欲しくない
僕だけに見せてくれるなら少し見えたけど

チケットはもう数少ない
一人三枚ものチケットを使う最高で
そして ロマンティック溢れ出るファンタジー
最後にふさわしい乗り物は
もう一つしかない

そう 花やしきのシンボル
Beeタワー

もうここはH子の意見など聞きはしない
当たり前のようなSの決断だった

そこは 誰にも邪魔はできない二人だけの密室空間
相手が鈍感でなければ 目の動きや心拍数 体温の変化や
思考が直接感じられる空間
そして自分と相手の脳の後ろ部分同士が
なんらかの力が働きテレパシーで伝え合えられる空間

まず Sが鈍感な女性に惹かれる訳がない

全てが「薄」で「素」で成り立ってなければあり得ない

さて
カゴに入る
そこはやっぱり対面に座った
絶妙なスピードで
スーッとカゴは二人を空に近い場所へ連れ去って行く




カゴは周辺が一望できる高さで止まり
そして ゆっくりとまわる
いっそ ワイヤーが切れて
二人で同じ病室で入院できるならかまわない
病院まで一緒の救急車に乗りたい

Sは 今日だけでH子を何回うっとりしただろう
だけど 今このカゴの中でのうっとり
さっきまでのうっとりまでとは全く質が違う

Sはあらためて実感した
H子と出会えてなかったら
「疑うことの出来ない絶対的な美しさ」 
って何だろう?
そんな思考がうまれなかったかもしれない

そんなキュンキュンと胸いっぱいの精神状態で
夢のようなカゴの中 二人きりで
二人だけの話をしていた

!!
そこで そこで そんな時に

H子がとんでもない事を口にした

H子・「甥っ子と来たかったなー   多分喜ぶだろうなー」

S・「……     」




何気ないさらーっとしたH子の言葉だからこそ
Sは何も言葉が出なかった

トゲのない言葉は
時に逆にかなりのキズをつける力があると実感してても
それでも キズがついて
キズどころではなく取り返しのつかない事でさえも
H子への絶対的な思いは
何一つ変わりはしないのです


〜おわり〜

実は
今まではいわば・まえがき・前座みたいなもんです
ここからが 本来の日記スタイルなのです

では





・あとがき・ という名の本題です



僕は意地が悪く
他人の成功を素直に喜べない時も
他人をうらやましく思い ねたむ時もある

何故なら 
はっきりとした自分の向かう道
自分の進む道
自分の信じる道
そして確立されたスタイルが
はっきりしない ぼんやり感に包まれているからでしょう



・まえがき・だった短編小説にも強調されてましたが
すごく極端で 自分が良い! と思ったもの事には 
何があろうと 何が起きようと絶対で
良い部分しか見えない
SにはH子の美しさは絶対であり
例えモラルに反しても モラル自体を否定するでしょう

そして その逆も勿論あり ひどい残酷で
自分が悪い! と思うと
とことん悪い部分を探し出す
いや 悪いと思い込む


いわゆる いい人と言われる人間よりも
ビジュアル 感覚 技術が優れている人間の部分を求めてるのでしょう

勿論誰でも 僕も
優しい人は大好きです

内面を見ろ! とよく言いますよね
そんなのわかってます
内面も そしてビジュアルや感覚も良い方がいい


アイデンティティがない為に
誰かに依存し あたかも自分の思考かのように振る舞い
自分が振る舞う目標設定が無理に高いが為に
それは 結果自分で自分を辛くさせる事になる

自分とは何か? 
などというレベルまでは全く届いてない低レベルで
何故自分をつくってこなく つくらないのか つくれないのか



いつも今から
どこからでも今から
そこから


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