
僕は高校生の頃から 美容室でバイトをしていた しっかり美容室で就職したのは原宿近辺の大きい美容室でした 何もかもが新鮮でしたが たまたま バックルームにある美容専門誌を見てると とんでもない ページがあった 前髪はこめかみまで広く パッツリ短い 後は長い毛はすごく長く 短い毛はツンツン立ってるくらい ようするにめちゃくちゃで(いい意味で) 色もイロイロ入り アフリカの難民のような 浮浪者のような 寝癖のような 僕はこれだ!と 思った すぐに電話で予約してカットに行った お店に入ると みんな寝癖のような髪型をしている SINGERの椅子に座って待っていると ちょうどドアの修理をしてる業者さんがドアノブを修理している と 茂木さん(元ロンドンのビダルサスーンのトップディレクター)が 「ドアノブそれでいいよ」 修理業者さんは途中までしか修理してないので 意味不明の様子 また茂木さんが「なんかそれくらいの方が 壊れてるみたいでかわいいじゃん もうOK ありがとう」 と言って またカットしに戻って行った 僕はカットする前からよけいワクワクした それからは 週一のフリーな練習回があり 僕は自分の勤める店の練習は その曜日だけはboyのフリーな練習回に通った カットする前に カウンセリングはデッサンでしていたboyはデッサンの練習をし 造形を知るため粘土で彫刻し 時には 動き続けるモデルを左手で描いたり 鉛筆を口に加えて描いたりした 寝癖のようなヘアースタイルをどんな美容室よりも真剣にカットしている事に感動していた
茂木さんは言う
生きてる人間の身体の一部を切るんだから ちゃんと切らないとと…
髪は彫刻のようにカットされていく そして みんなの合言葉のようになっていたのは 髪は三日四日洗わない方がかわいくなるよ 寝癖もかわいいじゃん みたいな そんな いつも実験的な美容室があるんです
写真は当時のlive(俗に言うヘアーショー)のチケット
写真は当時のlive(俗に言うヘアーショー)のチケット
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