或るいつもの交差点で
自転車にまかがり 信号が変わるのをただ 憂鬱な気持ちで待っていました
その日は 晴れの日の青空に比べると
好き嫌いではなく
汚れた空色でした
どんよりと曇った そんな時間でした
右から左方向へ路面電車が滑って行きました
すると のっぺりとした僕の視界の少し右側で
しっかり見えたんです
路面電車のアンテナと路面電車の電線との間で
火花が散ったのを見たんです
不思議なことではないでしょう
電気が通っているわけですから
でも とてもキレイだった
だから 右側へ滑り行く路面電車をずっと目で追いかけていました
しかし
あの刹那な時だけで それ以来一度も火花は散りませんでした
あの時の僕は
「あの火花は 良いことだった」
とは 全く思わなかった
むしろ 何か良くない事が起きる報せ?
訃報か?
と 感じていたことを覚えている
「キレイな火花だ」とは感じられたのに
佐々木秀典

0 件のコメント:
コメントを投稿